アスベスト対策

アスベストの現状

アスベストが使用されている場所は1975年(昭和50年)以前に造られた建物・道路・橋などで、現在は全国の官公庁施設の60%が除去済みといわれます。 しかし、民間施設への対応はほとんど進んでおりません。つまり、日本には未だ大量のアスベストが放置されている状態です。
又、建材に使用されたアスベストはほとんどが吹き付けアスベストといわれます。アスベストと結合材(セメントなど)を一定割合で水を加えて混合し、壁やタイルに吹き付けて施工したものです。

建築物等の鉄骨材などの耐火被覆や機械室(ボイラー室)、空調機械室などの吸音・断熱材として多く使用されてきました。その結果、国内のストック量が4,000万トン、今後年間の排出量が100万トン以上といわれております。(環境省資料)
従来はコンクリート等による固化型式で最終処分場への埋立て処理が主流となっておりましたが、最終処分場の不足、住民不安を背景とした処分場での受入忌避に加え、処理基準の強化等で、コストも高騰し、その結果として大量のアスベスト廃棄物が滞留し、不法投棄につながる恐れがあります。

環境省の定める無害化処理認定制度

廃棄物処理法第9条の10により、石綿が含まれる廃棄物について無害化処理という新たな処分のルートを早急に確保することが不可欠であるという考えの下、無害化処理認定制度が創設されました。

認定の対象となる廃棄物

  • 石綿含有一般廃棄物
  • 廃石綿等
  • 石綿含有産業廃棄物

認定の対象となる廃棄物

  • 廃棄物の溶融後の生成物に石綿が検出されないことが確実に認められること
  • 1日あたりの処理能力が5トン以上であること
  • 排ガス中の石綿の濃度が人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれのないもの
  • 排ガス処理施設により煤塵・粉塵を除去又は、無害化処理ができること

認定の対象となる廃棄物

  • 外気と遮断された状態で石綿含有一般廃棄物等を溶融炉内に投入することができる供給装置が設けられていること
  • 石綿含有一般廃棄物等を無害化処理を行うことができる温度以上の状態で溶融することができるものであること
  • 上記温度を無害化処理に必要な滞留時間の間保つことができること
  • 適切な溶融炉内の温度を保つため、溶融炉内の空気量を調節することができる設備が設けられていること
  • 溶融炉内の温度を、直接的又は、間接的に把握することができ、記録するための装置が設けられていること
  • 生活環境の保全上の支障が生じないようにすることができる排ガス処理設備が設けられていること
  • 無害化処理生成物の流動状態が確認できる設備が設けられていること
  • 溶融炉内に石綿含有一般廃棄物等を投入するために必要な破砕を行う場合にあっては、必要な破砕設備が設けられていること

アスベスト処理時の計量試験データの例は、こちら

スラグ分析結果(例)は、こちら

引用)日本環境保全(株)、「アスベスト溶融公開実験報告書」、2006年10月(第1回:4月、第2回:5月、第3回:6月)

【詳細な説明資料】

  1. アスベスト溶融炉「NK-1000」 溶融プロセス説明書はこちら
  2. 小型高温アスベスト溶融炉NK-100プラント解説書はこちら